どうしようかな? そうだ! 本を読もう! いつものことである。
こういう時は元気をくれる本でなければだめだ。自分に勇気を与えてくれる本でなければならない。LISMObookでお手軽に電子書籍を検索。
そこで見つけたのが「驚くほど成長する仕組み」だ。
無料でサンプルをダウンロードできるので、まずは無料ダウンロード。そして読み始める。
僅か数ページめくっただけで、弥生丸の心臓は伸縮し始めていた。
スマホを持つ手に力が入る。
感じたのは怒りだった。
冒頭から「努力は報われない」などど書いてあるからだ。
さらに続いて著者の自慢話。若くして海外を豪遊した様が記されている。
ふざけやがって、きっと誰でもそう思うだろう。
だからこの本を購入したと決意したといっても過言ではない。私は、著者に上手く煽り立てられてしまったのだ。
そして結果としてこの本を読んでよかったと心底思っている。
まず年齢が近いせいか、理由なく共感を感じた。
普通、本といえば四十代、五十代の方が出版しているものが多いのではないかと思うが、「驚くほど成長する仕組み」坂田公太郎さんは三十代だ。
そして元ナンバーワンホスト、という面白い経歴を持つ。これだけでも惹かれる方は多いのではないだろうか?
内容としても、実に鮮明でわかりやすいものだった。
あるいは突き詰めて考えてしまえば、どの自己啓発書にも書かれているようなことなのかもしれない。
自分のやりたいことを紙に書くことや、一年で必ずひとつは目標を達成すること、チャンスは逃さないことなど。
しかし、そこは坂田公太郎さんの独特の言い回し、というか明るさやパワーといった方がいいかもしれない。
他の自己啓発書にはない、鮮烈さがある。それがいかに重要か、ということをわからせてくれる。
私自身、考えを改めさせられることが多々あった。人はわかっていることでも、忘れがちである。
例えば「胸を張って、上を向いて生きた方がいい」と私が言えばどうだろう?
そんなの当たり前だ、と思うに決まっている。しかし人はいつしか、そんな当たり前のことも忘れてしまう。気付けば下を向いて歩いている。
冒頭にも書いたように、私はこの本を手に取った時まさに落ち込んでいた。下を向いていたのである。
それを天を仰ぐだけで、随分気持ちが変わったように思える。
人として大切なこと、眠っている潜在意識を呼び起こしてくれるような本だった。
驚くほど成長する仕組み (単行本・ムック) / 坂田公太郎/著