男はかつてスロット4号機、4.5号機時代を生きていた。忘れもしない、初めて打った機種はアルゼの花火だ。どんちゃんシリーズは現在は人気があるとは言えないが、当時は人気だった。スロットといえばアルゼだった。花火の後継機である大花火は、北斗の券、パルサー、吉宗、ジャグラー、押忍!番長などに続き、歴代売り上げランキングに顔を出す。私自身も大花火にはまり、当時のバイト代であった六万円を一日ですったことがある。あの時は泣きそうだった。
現在はパチンコパチスロから離れているものの、いまでも本屋に行き「パチンコ」と名打った本があったならば、ついつい目に止まってしまう。ということで読んでみたというわけだ。
「パチンコの経済学」というタイトルだけあって、パチンコを経済的な観点から見つめて書かれている。一遊技者だった頃には見えてこなかったものが見えてくる。
まずはホール企業が上場できないこと。そういえば……と思い、ヤフーファイナンスでマルハンを検索みてたが出てこない。これに対し、遊技機メーカーは上場を果たしている。
なぜホール企業が上場できないのかというと、パチンコという遊技が、やはり一般国民にいいイメージを与えないからだそうだ。駐車場の車の中に乳児を置き去りにしたり、換金所が襲われたりなど、現在では随分減ったように思うが、それでもパチンコに関する暗い話題は少なくない。
さらに遊技機メーカー。ここに至っては新規企業が参入できない形になっているという。なぜかというとパチンコ機器には多くの特許が使用されており、その特許を既存のメーカー同士で持ち合っているからだそうだ。競争社会にない世界は腐敗し、やがては朽ち果てていく傾向にある。
僕はホールに足を運ばなくなったいまでも、パチンコ愛は衰えていない。時間と金さえあれば、いつでも突撃する準備はできている。一ファンとして、パチンコ業界のクリーンアップと発展を願ってやまない。
完全なる余談になるが、パチンコに負けず劣らず好きなのが麻雀だ。僕はプロではないが、麻雀を愛する気持ちはプロにだって負けない。そんな麻雀界も、まだまだ仄暗いイメージがあると思う。すべての国民に受け入れられるような、クリーンなイメージにするにはどうしたらいいのだろう? なんてことも考えたりする。イメージアップを計り、大手企業が参入できるような世界に発展すればどんなにいいことだろう。プロ雀士一人一人にスポンサーがつき、ゴールデンの民放で対局を眺める。そんな日が来ることを願っている。