東野圭吾さん「秘密」書評

これは何年も前に読んだ本なのですが、僕が読んだ小説の中でナンバーワンの書籍なので、いまさらながら書評を書くことにしました。
内容としては娘と母が事故に合い、娘の体に母の精神が乗り移るというところから始まります。体は娘なのだが心は母、というわけですね。そんな娘と母が同化した人間に対して、夫である平助の葛藤が緻密に描かれています。

想像するだけでも、どれほどの葛藤があるかわかるのではないでしょうか?愛しているのは妻も娘も同じ。しかしその愛情の種類は全く別物です。妻を抱くことは出来ても、娘を抱くことはできません。平助は思い悩み、そして……

「秘密」を読み終えた時は、ジーンとした感動が胸に沈み、それが何日も取れませんでした。ラストの一ページはもう号泣です。いまでも思い出しただけで、いいな、と思います。

ただアマゾンなどで書評を見てみると、女性読者にはあまり評判がよくないようです。女性は女性視点で読みますから、娘の体に乗り移った母の行動ご理解できないようです。

僕は男であり、家庭持ちでもありますから、平助の葛藤や苦しみは十二分に伝わってきました。男性読者には特にオススメの本かもしれません。
僕は東野圭吾さんが大好きです。会いたい有名人ナンバーワンです。僕がもし芸能人でテレビに出ていたなら、東野圭吾さんに会いたいと言いまくります(笑

作品の面白さもさることながら、僕には作家を目指していた時期があったので、東野圭吾さんは心の支えでもあり、また夢や目標でもありました。
新人作家の登竜門と言われる江戸川乱歩賞を受賞してデビューしながらも、その後売れない作家時代が十数年も続きました。それでも諦めずに、作品を輩出し続けた。当時の編集者の態度は実に冷たいものだったと言います。売れなくても諦めない、その不屈の精神は、作家を目指している方の大いなる励みになったことでしょう。もちろん僕もその一人です。

さらに現在でも、新刊を出すスピードは半端ないです。年に三冊も四冊も出しているのではないでしょうか? 長編小説を一冊書き上げるには、とてつもない労力が必要です。さらにそれがミステリーとなると、もっと大変でしょう。素人の僕と比べるのは申し訳ないですが、僕は400字詰め原稿用紙600枚書くのに半年間かかりました。それでも完成にはほど遠く、未完成な作品でです。
現役作家さんの中でも、一冊の本を書き上げるのに数年かかる方もいらっしゃいますから、どれだけ凄いことかわかるでしょう。一体どれだけ書くんだ(笑)、と思わずツッコミたくなるほどです。

ということで僕は、人間性からも東野圭吾さんが大好きです。東野圭吾さんの本をまだ読んだことがない、という方がもしいらっしゃれば、是非手に取って頂きたいと思います。

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